東大卒の親は子どもにも東大を目指させる?私が息子に「東大へ行け」と言わない理由

子育て・教育論

私と妻は、二人とも東大卒です。

そう話すと、

「子どもも東大を目指しているのですか?」

「やっぱり小さい頃から勉強させているのでしょう?」

と思われるかもしれません。

しかし私は、息子たちに、

「東大を目指せ」

と言ったことはありません。

むしろ今のところ、東大を目指してほしいとも思っていません。

もちろん、将来息子たちが自分から、

「東大へ行きたい」

と言えば応援します。

私自身、一浪して東大に合格しました。受験で失敗したことも含め、伝えられることはたくさんあります。

それでも、親である私から「東大へ行け」とは言いたくありません。

なぜなら、50歳を過ぎて自分の高校時代を振り返ったとき、東大受験について一つ大きな後悔があるからです。

私は、高校時代に勉強を優先しすぎました。

もっと部活動をすればよかった。

もっと友達と遊べばよかった。

もっと高校生活そのものを楽しめばよかった。

東大に合格したことを後悔しているわけではありません。

ただ、東大合格のために高校生活のすべてを使う必要はなかったと思っています。

そして、もう一つ。

子どもの人生は、親の人生のやり直しではありません。

この記事では、東大卒の私が、なぜ自分の息子たちには「東大を目指せ」と言わないのかを書いてみます。

第1章 子どもがいない頃、妻と話した「どんな子に育ってほしい?」

まだ子どもがいなかった頃、妻と映画『ソーシャル・ネットワーク』を観たことがあります。

Facebook創業期を題材にした映画です。

観終わったあと、

「もし将来、子どもができたら、どんな子になってほしい?」

という話になりました。

妻が魅力を感じたのは、映画に登場するウィンクルボス兄弟でした。

名門大学で学び、スポーツにも打ち込み、社交性もある。

勉強だけではなく、さまざまな面で恵まれた学生として描かれています。

一方、私が魅力を感じたのは、マーク・ザッカーバーグの方でした。

コンピューターに夢中になり、自分の興味を突き詰めていく。

「こんなふうに、一つのことに夢中になれる人になったら面白いな」

と思ったのです。

どちらが正しいという話ではありません。

ただ、夫婦でさえ「子どもにこうなってほしい」というイメージが違うことが面白いと思いました。

そして後になって、私はもう一つ考えるようになりました。

親が子どもに望む姿には、親自身の人生がかなり反映されているのではないか。

自分ができなかったこと。

自分が欲しかったもの。

自分が後悔していること。

親は知らず知らずのうちに、それを子どもに求めてしまうことがあるのかもしれません。

第2章 私が東大受験で後悔しているのは「勉強しすぎたこと」

私は小学生の頃、友達とソフトボールをして遊ぶことに夢中でした。

中学校ではバスケットボール部に入り、毎日のように練習していました。

勉強もしていましたが、それだけの生活ではありませんでした。

ところが高校へ進学すると、生活が大きく変わりました。

中学3年生で東大を目指すと決めていた私は、

「東大に合格するなら、勉強を最優先にしなければならない」

と思い込んでいました。

高校では部活動に入りませんでした。

授業が終われば家へ帰り、勉強する。

土日も勉強する。

高校生活の中心は、ほぼ東大受験でした。

それでも現役では合格できず、一年間の浪人を経て東大に入りました。

東大に合格したこと自体は、今でも良かったと思っています。

しかし、50歳を過ぎて高校時代を振り返ると、一つ大きな後悔があります。

それは、

「あんなに勉強だけを優先する必要はなかった」

ということです。

もっと部活動をすればよかった。

もっと友達と遊べばよかった。

もっと高校生活を楽しめばよかった。

勉強は必要でした。

でも、勉強以外の経験を削ってまで、3年間ずっと受験だけを考える必要はなかったと思っています。

だから私は、自分が東大卒だからという理由で、息子たちにも同じ道を歩ませようとは思いません。

第3章 親の後悔を、子どもに背負わせたくない

親になると、どうしても自分の経験をもとに子どもの将来を考えます。

「自分はもっと勉強しておけばよかった」

「もっと良い大学へ行けばよかった」

「もっと英語を勉強しておけばよかった」

そうした後悔があれば、

「子どもには同じ思いをさせたくない」

と考えるのは自然なことだと思います。

そして親は、自分ができなかったことを子どもに経験させようとします。

それ自体が悪いことだとは思いません。

親の経験は、子どもにとって大きな助けになることもあります。

ただ、私は一つだけ気をつけたいと思っています。

親の後悔を、子どもの目標にしてしまわないことです。

私の場合は少し逆でした。

「もっと勉強しておけばよかった」ではありません。

「もっと勉強以外のこともやっておけばよかった」

という後悔があります。

だからといって、

「自分は高校時代に部活をしなかったから、お前は絶対に部活をやれ」

と息子たちに言えば、それも結局は同じことです。

私の後悔を、息子たちに背負わせているだけです。

親の経験は伝える。

でも、最後に選ぶのは本人。

私は、その線を越えないようにしたいと思っています。

第4章 中学受験についても、考え方は同じ

中学受験についても、私は同じように考えています。

中学受験そのものを否定するつもりはありません。

本人が行きたい学校を見つけて、自分から挑戦したいと思うのであれば、それは素晴らしい経験になると思います。

一方で、

「将来困らないように」

「少しでも良い学校へ」

「自分は受験で苦労したから、子どもには早くから準備させたい」

と、親の不安だけで子どもの生活すべてを受験中心にしてしまうことには、私は慎重です。

小学生の時間は、受験勉強だけのためにあるわけではありません。

友達と遊ぶ。

スポーツをする。

本を読む。

好きなことに夢中になる。

失敗する。

何もしないでぼんやりする。

そうした時間も、子どもが育つうえで意味があると思っています。

東大に入るために、小学生の頃からすべてを受験に合わせる必要はない。

少なくとも、地方の公立小学校、公立中学校、公立高校を経て、一浪して東大へ入った私はそう考えています。

東大へ行く道は、一つではありません。

まして、東大へ行くこと自体がすべての子どもの目標である必要もありません。

第5章 息子たちに望むのは「東大」ではない

現在、息子たちはスポーツをしたり、友達と遊んだり、ゲームをしたりしながら毎日を過ごしています。

私は、その姿を見ているのが好きです。

スポーツ選手になったら面白い。

起業家になったら面白い。

そんなことを想像することもあります。

でも、それはあくまで私の勝手な願望です。

本人たちが将来何をやりたいと思うのかは、まだ分かりません。

会社員になるかもしれない。

起業するかもしれない。

スポーツに関わる仕事をするかもしれない。

私が想像もしなかった仕事を選ぶかもしれません。

大学へ行くのかどうかも、今の時点では分かりません。

私が本当に息子たちに望んでいるのは、

「東大へ行くこと」ではなく、「自分がやりたいことを自分で見つけること」

です。

何に夢中になるのか。

何を面白いと思うのか。

どんな人生を送りたいのか。

それは親が決めることではありません。

親にできるのは、いろいろな経験をする機会をつくり、本人が何かを見つけたときに応援することくらいなのではないかと思っています。

第6章 もし息子が「東大に行きたい」と言ったら

もちろん、息子たちが将来、

「東大に行きたい」

と自分から言ったら、私は応援します。

私自身、一度受験に失敗し、一浪して東大に合格しました。

うまくいったこともあります。

失敗したこともたくさんあります。

「これはやって良かった」

「これはやらなくても良かった」

と伝えられることもあるでしょう。

でも、私から、

「お父さんもお母さんも東大だから、お前も東大へ行け」

とは言いたくありません。

親が決めた東大と、自分で決めた東大では、同じ受験でも意味がまったく違うと思うからです。

私自身、中学3年生のときに、自分で東大を目指すと決めました。

現役で失敗しても、浪人してもう一度挑戦できたのは、自分で決めた目標だったからだと思っています。

だから息子たちにも、進路を自分で決めてほしい。

東大でもいい。

別の大学でもいい。

大学へ行かない道を選ぶことだってあるかもしれません。

大切なのは、親の期待に応えるためではなく、自分で考えて選ぶことだと思っています。

まとめ|子どもの人生は、親の人生のやり直しではない

私も妻も東大卒です。

でも、それは私たち夫婦の人生です。

息子たちには、息子たちの人生があります。

私は東大へ行って良かったと思っています。

たくさんの人に出会い、その後の人生にも大きな影響を与えてくれました。

だから、東大を否定するつもりはまったくありません。

一方で、高校時代に勉強を優先しすぎたことには後悔があります。

その経験も含めて息子たちには伝えたいと思っています。

でも、最後に決めるのは本人です。

どの大学へ行くかよりも、

何に夢中になったのか。

どんな人と出会ったのか。

何に挑戦したのか。

そして、自分でどんな人生を選んだのか。

私は、そちらの方がずっと大切だと思っています。

子どもの人生は、親の人生のやり直しではありません。

「東大へ行け」と言うのではなく、いつか本人が「これをやりたい」と言ったときに応援できる親でいたい。

そして、誰かに決められた人生ではなく、自分で選んだ人生を歩んでほしい。

私が息子たちに願っているのは、それだけです。

東大に入ることと、その後の人生について私自身が感じていることは、こちらの記事でも書いています。

→ 東大に入れば人生は成功?東大卒の私が50歳を過ぎて思うこと

また、子どもの勉強を親がどこまで管理するべきかについては、こちらの記事で詳しく書いています。

→ 子どもが家で勉強しない!東大卒の父が「親の勉強管理」より大切だと思うこと

私自身がどんな家庭で育ったのかについて、「東大生の家庭に共通すると言われる10項目」を一つずつ検証してみました。

→ 東大生の家庭の特徴10選は本当?地方公立から東大に合格した私の家庭を○×検証

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