地方公立高校から東大に行くには?一浪で合格した私が振り返る「本当に必要だったこと」

東大・学歴

「地方の公立高校からでも、東大を目指せるのだろうか?」

地方に住んでいると、そんな疑問を持つ人もいるかもしれません。

私は地方の公立小学校、公立中学校、公立高校に通い、一浪して東京大学に合格しました。

高校入学時の成績は10番程度。高校1年の2学期の実力テストで初めて1番を取り、その頃から本気で東大を目指すようになりました。

ところが、その後は順調だったわけではありません。

高校1年から勉強に力を入れすぎ、高校2年、高校3年になると集中力が続かなくなりました。成績も落ち、結局、現役では東大に合格できませんでした。

今振り返ると、地方の公立高校だったことで不利だった部分は確かにあります。一方で、「地方の公立高校だから東大に行けない」と感じたことはありません。

むしろ大切だったのは、どこの高校に通うか以上に、基本を大切にすること。そして、自分の頭でよく考えることだったと思っています。

この記事では、地方公立高校から一浪して東大に合格した自分の経験を振り返りながら、地方公立から東大を目指すうえで本当に必要だったものについて書いてみます。

高1では、東大向けの特別な勉強はしていなかった

私は高校入学前に、自分の中で一つの目標を決めていました。

「高校1年のうちに学年トップを取れたら、東大を目指そう」

というものです。

入学直後のテストでは、学年で10位程度でした。

そこから1番を目指して勉強しましたが、東大の過去問を解いたり、難しい参考書に取り組んだりしていたわけではありません。

授業の予習と復習をする。
学校の授業をきちんと聞く。
中間・期末テストに真面目に取り組む。

やっていたのは、基本的にはそれだけです。

そして高校1年の2学期か3学期の実力テストで、初めて学年1番を取りました。

国語は圧倒的な1位。英語も圧倒的な1位。数学は一人だけ満点でした。

高校入学前に自分で決めた条件を達成した私は、本気で東大を目指すことにしました。

とはいえ、地方の公立高校です。

高校3年になって担任の先生に東大志望を伝えた時には、

「この高校では、10年に一人のレベル」

と言われました。

それくらい、私にとって東大は遠い存在でした。

それでも、高1の頃を今振り返ってみると、一つ気づくことがあります。

私の成績が一番良かった時期には、特別なことを何もしていなかったのです。

学年1位を取ったことと、その後に成績が落ちていった経験については、こちらの記事でも詳しく書いています。

「東大合格には学年1位が必要?E判定から合格した私が伝えたい『順位』の話」

学校の授業を大切にして、予習と復習をして、目の前の勉強に取り組んでいました。

ところが東大を目指すと決めてから、私は「これでは足りない」と考えるようになります。

そして皮肉なことに、東大に合格するために始めた勉強が、私を東大から遠ざけていきました。

東大を意識しすぎて、勉強を自分で壊していった

高校1年で学年トップを取り、東大を目指すと決めた私は、

「もっと勉強しなければならない」

と思うようになりました。

部活動には入らず、学校が終われば家に帰って勉強。土日も友達と遊ばず、勉強していました。

ところが、高校2年、高校3年になると、成績はむしろ下がっていきました。

高2から理系は2クラスになりましたが、その中でも私は3〜5番程度。高1で取った学年1番を、その後一度も取ることはありませんでした。

焦った私は、さらに間違った方向へ進みます。

学校の授業では内職をするようになり、定期テストの勉強もあまりしなくなりました。

地方の公立高校は授業の進度が遅い。

「学校のペースに合わせていたら、都会の受験生に勝てない」

そう考えて、自分でどんどん先に進もうとしたのです。

ところが、授業中に別の勉強をしても、集中できませんでした。

Z会も始めましたが、数学や理科は難しすぎて、添削を提出することすらできませんでした。難しい問題集や勉強法にも手を出し、基本ができていないのに応用問題ばかり気にするようになりました。

今振り返ると、完全に順番が逆でした。

地方公立高校の授業が遅いことよりも、「遅れてはいけない」と焦って基本を軽視したことの方が、私にとっては大きな問題だったのです。

さらに、高1から全速力で走りすぎました。

勉強以外の居場所もほとんどなく、息抜きもしない。高2、高3になる頃には、机に向かっていても集中できない状態になっていました。

東大に近づこうとして勉強時間を増やしたはずなのに、結果は逆でした。

現役で受けた東大の答案は、数学、物理、化学を中心にほとんど白紙。

当然、不合格でした。

私に必要だったのは、もっと難しい問題でも、もっと長い勉強時間でもありませんでした。

一度、基本に戻ることでした。

浪人して変えたのは、難しい勉強ではなかった

現役で東大に落ちた私は、浪人することになりました。

そこで、それまでの勉強を一度リセットしました。

ほとんど手をつけていなかったZ会の教材はすべて捨てました。新しい参考書や問題集を大量に買うこともしませんでした。

浪人生活で決めたのは、むしろ当たり前のことでした。

基本を大切にして、よく考える。

予備校の授業はすべて集中して聞く。予習と復習をする。模試でできなかったところがあれば、手持ちの教材に戻って、一つずつ弱点をつぶす。

現役時代とは、ほとんど逆の勉強です。

生活も変えました。

朝6時に起き、予備校へ行く前に自習室で1時間勉強する。昼間は授業に集中し、授業後も自習室で勉強する。帰宅後の勉強は1時間程度にして、夜10時には寝ていました。

すると、成績は大きく変わりました。

最初の全国模試で東大A判定。夏の東大模試でもAまたはB判定を取ることができました。

秋になるとC判定まで下がりましたが、そこで勉強法を変えることもしませんでした。

模試で間違えたところを確認し、基本に戻って弱点をつぶす。

それを繰り返しました。

そして1年前にはほとんど白紙だった東大の答案を、浪人後の本番ではしっかり埋めることができ、合格しました。

もちろん、浪人時代も勉強しすぎだったと思っています。日曜日まで予備校の自習室で一日中勉強していましたから、今ならもっと息抜きをしてもよかったと思います。

それでも、高校時代との一番大きな違いは、勉強時間そのものではありません。

難しいことを追いかけるのをやめ、授業、基本、予習・復習、そして「よく考えること」に戻ったこと。

私にとっては、それが東大合格への大きな転換点でした。

地方公立高校だったことは、東大受験に不利だったのか

地方公立高校から東大を目指した私にとって、不利だったと感じることは確かにありました。

一番大きかったのは、学校の授業の進度が遅かったことです。

東大を目指すようになると、

「このペースで本当に間に合うのだろうか」

という焦りが出てきました。

周囲に東大を目指す生徒もほとんどいませんでした。高校3年で担任の先生に東大志望を伝えた時には、

「この高校では、10年に一人のレベル」

と言われました。

今のようにインターネットで簡単に受験情報を集められる時代でもありません。

それでも私は、地方公立高校だったから東大を目指せなかったとは思っていません。

高校時代、塾や予備校に通う必要性も感じていませんでした。

そもそも家は裕福ではありませんでしたし、近くに通える塾もありませんでした。

使っていた参考書や問題集も、基本的には学校から与えられたものです。

振り返ってみれば、高1で学年1番を取った時も、特別な環境があったわけではありません。

逆に成績を崩したのは、地方公立高校にいたからというより、学校の授業や基本を軽視して、自分から難しい勉強へ走ってしまった時期でした。

そして浪人して成績が急上昇した時には、基本に戻りました。

この経験から、私は地方公立高校から東大を目指すうえで、

「都会の進学校と同じことをしなければならない」

と考える必要はないと思っています。

環境による違いは確かにあります。

でも、その差を焦って埋めようとして、難しい教材や先取りばかりに目を向ける必要はありません。

私自身が、それで一度失敗しました。

まず、目の前の授業と基本を大切にする。

地方公立高校から東大を目指す場合でも、その土台は変わらないと思います。

地方公立から東大へ、本当に必要だった3つのこと

自分の高校時代と浪人時代を振り返ると、東大合格に必要だったものは、特別な教材でも、早い先取りでも、長時間勉強でもなかったと思います。

1.学校の授業を真面目に聞く

高校時代の私は、途中から学校の授業を軽視するようになりました。

授業中に内職をして、自分で先に進もうとしていました。

しかし、結局は集中できず、基本がおろそかになりました。

浪人してからは逆です。

予備校の授業はすべて集中して聞き、予習と復習を徹底しました。

まず、目の前の授業をきちんと理解する。

当たり前のことですが、私にはこれが大切でした。

2.基本を大切にする

東大を意識すると、難しい問題を解かなければならないと思ってしまいます。

私もそうでした。

基本が十分にできていないのに難しい問題に手を出し、分かったような気になっていました。

浪人してからは、模試でできなかったところがあれば、基本に戻って一つずつ弱点をつぶしました。

新しい教材にもほとんど手を広げませんでした。

難しい問題が解けることより、分からないところを残さないこと。

こちらの方が大切だったと思います。

3.よく考える

そして、今の私が最も大切だと思っているのが、「よく考えること」です。

分からない問題に出会った時、すぐに答えを見るのではなく、自分の頭で考えてみる。

なぜ間違えたのか。
どこが分かっていないのか。
どう考えれば解けるのか。

浪人時代は、こうして一つひとつの問題に向き合いました。

振り返ると、高校時代の私は「都会の受験生に追いつかなければ」と焦り、先へ先へと進むことばかり考えていました。

でも、本当に必要だったのは逆でした。

急いで先へ進むことではなく、立ち止まって、よく考えること。

これは東大受験だけではなく、小学生の勉強でも同じではないかと、今は考えています。

小学生の親に伝えたい。「地方公立から東大」は十分目指せる

もし今、小学生の子どもを持つ親御さんから、

「中学受験をせず、地元の公立中学、公立高校に進んでも、東大を目指せますか?」

と聞かれたら、私はこう答えます。

十分、目指せると思います。

私自身、公立小学校、公立中学校、地方の公立高校と進みました。

高校まで塾に通ったこともありません。

それでも、一浪はしましたが、東大に合格することができました。

だからといって、誰でも東大に合格できるという話ではありません。

ただ、小学生のうちから難しい勉強をさせたり、中学受験をしたり、都会の有名進学校に入ったりしなければ、東大への道が閉ざされるわけではない。

少なくとも、私はそう考えています。

むしろ私自身の失敗を振り返ると、早くから先へ進むことや、長時間勉強することばかりを重視することには危うさも感じます。

小学生のうちは、

学校の授業を真面目に聞く。
基本を大切にする。
分からないことを、自分の頭でよく考える。

まずは、それでいいのではないでしょうか。

そして、勉強以外の時間も大切にする。

私は高校時代、東大受験を優先して部活動に入りませんでした。今振り返れば、部活動をして、友達と過ごし、勉強から離れる時間を持っていた方がよかったと思っています。

子どもの成長は長いです。

小学生の時点で、東大までの道を親が完成させる必要はありません。

その時々で目の前のことに取り組み、よく考え、自分で次の一歩を選べる子になること。

地方公立から東大を目指した自分の経験を振り返ると、それこそが、長い目で見て大切なのではないかと思います。

まとめ|地方公立からでも、東大への道はある

私は地方の公立小学校、公立中学校、公立高校を経て、一浪して東大に合格しました。

振り返ってみると、東大を目指すうえで地方公立ならではの不利は確かにありました。特に、高校の授業の進度が遅いことには焦りを感じていました。

しかし、私が現役で東大に落ちた最大の原因は、地方公立高校に通っていたことではありません。

東大を意識するあまり、授業や基本を軽視し、難しい問題や先取りに走り、高1から勉強しすぎて集中力を失ってしまったことでした。

浪人して私が戻ったのは、とてもシンプルな勉強です。

授業を真面目に聞く。
基本を大切にする。
そして、自分の頭でよく考える。

30年以上たった今でも、この3つは大切だったと思っています。

だから私は、小学生の段階で「中学受験をしないと難関大学には行けない」「有名な進学校に入らなければ東大は無理」と、将来の可能性を狭く考える必要はないと思っています。

私が実際に地方公立高校から東大を目指した経緯や、高校選びについてはこちらの記事でも詳しく書いています。

「地方公立高校から東大へ|塾なし・一浪で合格した私が考える高校選び」

子どもの成長には、まだ長い時間があります。

焦って先へ進ませるより、今やっていることをきちんと理解し、自分の頭で考える習慣をつくること。

地方公立から東大まで歩いてきた私が、今、小学生の息子たちを見ながら大切にしたいと思っていることです。

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