「中学受験をしない小学生にも、通信教育は必要なのだろうか?」
塾には通わせていない。
中学受験をする予定もない。
学校の宿題はやっている。
それでも、周りの子が通信教育や市販の教材で勉強していると、
「学校の勉強だけで本当に大丈夫なのかな」
と不安になることがあります。
我が家には小学生の息子が二人いますが、今のところ中学受験は考えていません。
家庭学習も、基本的には学校の宿題が中心です。
だから私は、
「小学生になったら、とりあえず通信教育を始めたほうがいい」
とは考えていません。
一方で、通信教育そのものには、塾や市販の問題集とは違う良さがあると思っています。
実は私自身、高校時代にZ会の通信教育をやっていました。
理系でしたが、数学などは難しくて、ほとんど分からないこともありました。
一方、国語は最難関向けのコースではありませんでしたが、かなり時間をかけて問題を考え、答案を書いていました。
成績優秀者として名前が載ったことも何度かあります。
妻も高校までずっと公立校で、現役で東京大学に合格しましたが、高校時代にはZ会に真面目に取り組んでいたそうです。
夫婦ともZ会を経験していますが、私は、
「東大に行くならZ会をやるべき」
と言いたいわけではありません。
むしろ今、親になって考えてみたいのは、
そもそも通信教育には、どんな良さがあるのか。
そして、
どんな小学生なら利用する意味があるのか。
ということです。
この記事では、中学受験を予定していない小学生を前提に、通信教育のメリットと、始めるかどうかを判断する基準について考えてみます。
通信教育は、すべての小学生に必要なものではない
まず私は、通信教育はすべての小学生がやるべきものではないと思っています。
学校の授業を理解できている。
宿題も問題なくできている。
そして本人も、特に追加で勉強したいとは思っていない。
そんな状態なら、
「周りの子もやっているから」
という理由だけで通信教育を始める必要はないでしょう。
教材を申し込めば、当然、やるものが増えます。
毎月教材が届いても、本人がやる気にならなければ、手をつけないまま教材だけがたまっていくこともあります。
実は私自身、小学生の頃に学研の教材を取っていました。
ところが、勉強部分はほとんどやりませんでした。
私が毎月楽しみにしていたのは、付録の工作です。
つまり、教材が家に届くことと、子どもが勉強することは別の話なのです。
だから、通信教育を始める前に、
「この通信教育は評判がいいのか」
「どの教材なら成績が上がるのか」
と考えるより、まず、
「今、この子に追加の家庭学習が必要なのか」
を考えたほうがいいと思います。
学校の勉強で困っているなら、その部分を補う方法として通信教育を使う。
学校の勉強では物足りず、本人がもっと学びたがっているなら、より難しい問題に触れるために使う。
自分で勉強する習慣を少しずつ身につけたいなら、そのためのペースメーカーとして使う。
通信教育は、申し込むこと自体に意味があるのではなく、
「何のために使うのか」がはっきりして初めて価値が出るもの
なのではないでしょうか。
通信教育の良さ① 自分で考える時間を持てる
私が通信教育の良さとして最初に思い浮かべるのは、自分で問題と向き合って考える時間を持てることです。
これは、私自身が高校時代にZ会をやっていた経験から感じることです。
私は理系でしたが、Z会の数学などは難しく、ほとんど分からないこともありました。
一方で、国語にはかなり真面目に取り組んでいました。
東大コースのような最難関向けのコースではありません。
それでも、問題を読んで、
「これは何を聞かれているのだろう」
「自分ならどう答えるか」
と、かなり時間をかけて考えていました。
すぐそばに先生がいて、分からなければ答えを教えてくれるわけではありません。
まずは自分で読む。
考える。
そして、自分なりの答案を書く。
今振り返ると、私はこの時間が好きだったのだと思います。
国語では、成績優秀者として名前が載ったことも何度かありました。
もちろん、通信教育だから必ず「考える力」が身につくとは言えません。
分からなければすぐに解答を見ることもできますし、教材そのものをやらなければ何も始まりません。
でも、通信教育には、
「先生の説明を聞いてから問題を解く」のではなく、「まず自分で問題と向き合う」
という学び方をしやすい面があります。
私は、ここに通信教育の一つの良さがあると思っています。
そしてこれは、勉強だけの話ではないのかもしれません。
分からないことに出会ったとき、すぐ誰かに答えを聞くのではなく、
「自分はどう思うのか」「どうすれば分かるのか」
を一度考えてみる。
普段の生活でも、そういう経験を積み重ねることには意味があると思います。
通信教育は、そのための一つの機会にもなり得るのではないでしょうか。
通信教育の良さ② 毎月届く教材が、勉強のペースメーカーになる
通信教育のもう一つの良さは、勉強するペースを作りやすいことだと思います。
市販の問題集なら、本屋に行けばいくらでも買えます。
ただ、問題集を買っただけでは、
「今日はどこまでやるのか」
「今月は何を勉強するのか」
「いつまでに終わらせるのか」
を、自分や親で考えなければなりません。
通信教育の場合は、基本的に学習する教材が定期的に用意されます。
つまり、
「今月はこれに取り組む」
という一つの目安ができます。
私は、この仕組み自体に意味があると思っています。
特に中学受験をしない家庭では、塾のカリキュラムに沿って勉強するわけではありません。
だからこそ、
学校の宿題だけでは少し物足りない。
でも、親が毎日問題集を選んで、勉強する量まで細かく管理するのも違う。
そんな家庭にとって、通信教育はちょうどいい選択肢になる可能性があります。
教材という「やること」は用意されている。
一方で、
いつ取り組むか、どう進めるかは、ある程度自分で考えられる。
親が毎日、
「今日はここまでやりなさい」
「昨日やってないでしょう」
と細かく指示しなくても、自分で教材と向き合う余地があります。
もちろん、小学生ですから、最初からすべて自己管理できるとは限りません。
親が声をかけたり、一緒に予定を考えたりする必要がある子もいるでしょう。
それでも最終的には、
「親に勉強させられる」のではなく、「自分で勉強を進める」
方向へ少しずつ移っていく。
通信教育は、その練習にも使えるのではないかと思います。
通信教育の良さ③ 塾に通わなくても、自分に合った問題に取り組める
通信教育には、塾に通わなくても、学校の授業とは違う問題に取り組めるという良さもあります。
これは、私よりも妻の子ども時代を見ていると、特に感じます。
妻は小学校から高校まで公立校に通っていました。
小学生の頃から勉強が好きで、学校の成績も良かったそうです。
そして、
「もっと勉強したかった」
と言います。
ところが当時は、何を勉強すればいいのか分からなかった。
今のようにインターネットで教材を簡単に探せる時代でもありません。
学校の勉強が分からない子だけではなく、
学校の勉強は分かる。でも、もっと難しいことをやってみたい。
そんな子どももいます。
私は以前の記事で、先取り学習を親が急がせる必要はないと書きました。
でも、子ども自身が、
「もっとやりたい」
「もっと難しい問題を解いてみたい」
と思っているなら、話は別です。
その気持ちを止める必要はありません。
だからといって、すぐに塾へ通わせる必要もないでしょう。
通信教育なら、自宅で取り組めます。
塾への行き帰りの時間も必要ありません。
スポーツをしたり、友達と遊んだりしながら、自分の生活に合わせて勉強することもできます。
そして何より、
「もっと学びたい」と思った子どもに、親が学べる環境を用意する。
私は、通信教育にはそんな使い方もあると思っています。
親が子どもを前から引っ張って、
「もっと先へ行きなさい」
と勉強させるのではない。
子どもが自分から前へ進もうとしたときに、
「こんな方法もあるよ」
と選択肢を置いてあげる。
私が考える通信教育の使い方は、こちらのほうに近いです。
一方で、通信教育を始めても続かないことはある
通信教育にはメリットがありますが、申し込めば子どもが自分から勉強するようになるわけではありません。
これは、私自身の経験からもよく分かります。
小学生の頃に取っていた学研の教材は、勉強部分にはほとんど手をつけず、楽しみにしていたのは付録の工作でした。
高校時代のZ会でも同じです。
国語にはかなり真面目に取り組みましたが、理系科目は難しく、十分に活用できていたとは言えません。
同じ人間でも、教材や科目によって取り組み方はまったく違ったのです。
だから、
「通信教育を申し込めば勉強するだろう」
「毎月教材が届けば学習習慣がつくだろう」
と期待しすぎないほうがいいと思います。
むしろ、教材がどんどんたまっていくと、
「またやっていない」
「せっかくお金を払っているのに」
と、親子ともにストレスになる可能性もあります。
大切なのは、通信教育を続けることそのものを目的にしないことです。
合わなければ、やめてもいい。
難しすぎるなら、レベルを変えてもいい。
逆に、本人が夢中になって取り組むなら、もっと学べる環境を用意してもいい。
通信教育は子どもを勉強させるための装置ではなく、学びたいときに使える一つの道具。
私は、そのくらいに考えておくのがちょうどいいと思っています。
では、どんな小学生なら通信教育を検討してもいいのか
では、中学受験をしない小学生の場合、どんなときに通信教育を検討すればいいのでしょうか。
私は、特に次のような場合だと思っています。
① 学校の勉強では物足りなくなった
学校の授業は十分理解できている。
宿題も問題なくできる。
そのうえで、
「もっと難しい問題をやってみたい」
「もっと勉強したい」
と本人が思っている場合です。
先ほど書いた妻の子ども時代はこちらに近かったのだと思います。
妻は小学生の頃から勉強が好きで、学校の成績も良かったそうです。
それでも、
「もっと勉強したかった。でも、何をすればいいのか分からなかった」
と言います。
こういう子どもに通信教育という選択肢を見せるのは、意味があると思います。
② 自分で勉強を進めてみたい
もう一つは、親に毎日、
「これをやりなさい」
と言われるのではなく、自分で教材に取り組んでみたい子です。
通信教育なら、取り組む教材は用意されています。
その中で、
「今日はここまでやろう」
「この問題をもう少し考えてみよう」
と、自分で進めることができます。
もちろん、小学生なら最初は親のサポートが必要なこともあるでしょう。
それでも、少しずつ、
「親に勉強させられる」から「自分で勉強する」へ移っていく。
そんな使い方ができれば、通信教育には意味があると思います。
学校の勉強が分からないなら、まず通信教育ではない
一方、学校の授業そのものが分からない場合は、私はいきなり通信教育を始めなくてもいいと思います。
まずは、学校の先生に聞く。
家庭でも、どこで分からなくなったのかを確認する。
例えば算数の計算につまずいているなら、その子が理解できるレベルまで戻って、簡単なドリルをやってみる。
それで十分なこともあるでしょう。
通信教育は、分からないところを埋めるための唯一の方法ではありません。
むしろ私は、
「困ったら新しい教材を増やす」より、「どこで困っているのかを見つける」ことのほうが先
だと思っています。
まとめ|通信教育は「必要だからやる」より「学びたいときの選択肢」
中学受験をしない小学生に、通信教育が必ず必要だとは私は思いません。
学校の授業を理解できていて、宿題もできている。
そして本人が、友達と遊んだり、スポーツをしたり、好きなことをして過ごしたい。
それなら、無理に家庭学習を増やす必要はないでしょう。
学校の勉強で分からないところがあるなら、まず先生に聞いてみる。
家庭でつまずいているところを確認して、必要なら簡単なドリルなどで補う。
それで解決することもあると思います。
一方で、
「学校の勉強だけでは物足りない」
「もっと難しい問題をやってみたい」
「自分で勉強してみたい」
と子ども自身が思い始めたなら、通信教育は一つの選択肢になります。
私自身、高校時代のZ会で、国語の問題を長い時間考えて答案を書いた経験があります。
妻もまた、子どもの頃から「もっと勉強したい」と思っていた一人です。
だから親になった今、私は、
子どもを勉強へ引っ張ることより、子どもが学びたくなったときに進める道を用意しておくこと
のほうが大切なのではないかと思っています。
通信教育も、そのための一つの道具です。
始めること自体を目的にしない。
続かなければ、やめてもいい。
そして本人が夢中になったなら、その先へ進める環境を用意する。
「通信教育をやらせるか」ではなく、「今、この子は何を求めているのか」。
まずはそこを見ることから始めればいいのではないでしょうか。
小学生の家庭学習をどこまでやるかについては、こちらの記事でも詳しく書いています。
→ 小学生の家庭学習は宿題だけで大丈夫?東大卒の父が考える「やらせすぎない」勉強法
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関連記事:東大卒夫婦は高校時代に二人ともZ会をやっていた|でも、使い方も効果も全く違った
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→「小学生の通信教育はいつから始める?東大卒の父が考える始めどき」
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→ 小学生の通信教育は続かない?始める前に親が考えたい5つのこと


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