「通信教育を始めたけれど、最初だけでやらなくなった」
小学生の家庭学習では、よく聞く話です。
通信教育を始めるとき、親としては「毎日少しずつ勉強する習慣がついてほしい」「学校の勉強だけでは少し心配」と考えることもあると思います。
でも、どんなに評判のいい教材でも、子ども自身がやらなければ意味がありません。
わが家には小学5年生と小学3年生の息子がいますが、私は「小学生になったら、とりあえず通信教育を始めよう」とは考えていません。
一方、私たち夫婦は二人とも高校時代にZ会の通信教育を経験しています。妻はかなり真面目に取り組み、私は特に国語の問題に時間をかけていました。
ただ、妻に「もし小学生の自分だったら、通信教育は向いていたと思う?」と聞いたところ、答えは意外にも「たぶん向いていなかった」でした。
勉強が好きで成績も良かった妻でさえ、小学生の頃は一人で教材を進めるより、大人から直接教えてもらうほうが合っていたと思うそうです。
だから私は、通信教育を選ぶときに大切なのは、教材の知名度や「何年生から始めるか」だけではないと思っています。
その子が、自分でその教材に向き合えるか。
この記事では、小学生の通信教育を始める前に親が考えておきたいことを、私たち夫婦と子どもたちの経験をもとに5つに分けて考えてみます。
1.子ども自身が「やりたい」と思っているか
通信教育を始める前に、私がまず大切だと思うのは、子ども自身にやる気があるかどうかです。
親が「この教材は評判がいいから」「周りの子もやっているから」と申し込んでも、実際に教材に向き合うのは子どもです。
特に通信教育は、塾のように決まった時間に教室へ行くわけではありません。
教材が家に届いても、自分で開かなければ何も始まりません。
もちろん、小学生ですから、最初から強い目的意識を持っている必要はないと思います。
「この問題、ちょっとやってみたい」
「学校より難しい問題をやってみたい」
そんな小さな興味でも十分です。
逆に、本人がまったく興味を示していないのに、親が「毎日やりなさい」と管理しなければ続かないのであれば、一度立ち止まって考えてもいいのではないでしょうか。
通信教育を続けること自体が目的ではありません。
子どもが学びたいと思ったときに、その気持ちを支えるための一つの道具。
私は、通信教育をそのくらいの位置づけで考えています。
2.一人で教材を進められるか
通信教育は、自宅で自分のペースで勉強できるのが大きな特徴です。
でもこれは、メリットであると同時に、子どもによっては難しいところでもあると思います。
分からない問題が出てきたときに、自分でもう一度考えてみる。解説を読んでみる。それでも分からなければ、親や先生に聞いてみる。
こうしたことがある程度できる子なら、通信教育をうまく使える可能性があります。
一方で、分からない問題が一つ出てきただけで教材を閉じてしまう子もいるでしょう。
ここで思い出すのが、妻の小学生時代です。
妻は小学生の頃から勉強が好きで、学校の成績も良かったそうです。それでも本人は、当時の自分には通信教育より、分からないことをその場で大人に聞ける環境のほうが合っていたと思う、と話しています。
つまり、勉強ができる子=通信教育に向いている子、とは限らないのだと思います。
大切なのは成績だけではなく、
「一人で考えて進めることを楽しめるか」
ということではないでしょうか。
もちろん、小学生ですから、すべてを一人でやる必要はありません。
必要なところでは親が支えながら、少しずつ自分で進められるようになる。そのくらいでいいと私は思っています。
3.学校の勉強を理解できているか
「学校の勉強だけでは心配だから、通信教育を始めよう」
そう考える家庭もあると思います。
ただ、もし子どもが学校の授業についていけていないのであれば、私はすぐに新しい教材を増やす必要はないと思っています。
例えば算数で分からないところがあるなら、まず教科書に戻ってみる。学校の先生に聞いてみる。家で一緒に簡単な問題を解いてみる。
どこで分からなくなったのかを確認することが先ではないでしょうか。
分からないことが残っている状態で新しい教材を追加すると、子どもにとっては「やらなければならない勉強」が増えるだけになることもあります。
一方、学校の勉強は十分理解できていて、
「もっと問題を解いてみたい」
「少し難しいことにも挑戦したい」
と子ども自身が感じているなら、通信教育は一つの選択肢になると思います。
私は、通信教育を学校の勉強への不安を埋めるためだけに始める必要はないと考えています。
まず今の学習で何に困っているのかを見る。そのうえで通信教育が必要なのかを考える。
教材を選ぶのは、その後でも遅くありません。
そもそも中学受験をしない小学生に通信教育が必要なのかについては、こちらの記事で詳しく考えています。
→ 中学受験しない小学生に通信教育は必要?東大卒の父が考える家庭学習の選び方
4.親がどこまでサポートできるか
通信教育というと、「家で一人で勉強できる教材」というイメージがあります。
でも、小学生の場合、最初からすべてを子ども任せにするのは難しいこともあると思います。
教材が届いたことを一緒に確認する。分からないところを聞かれたら一緒に考える。しばらく教材を開いていなければ、「最近どう?」と声をかける。
そのくらいのサポートは必要になるかもしれません。
ただし、私はここでも、サポートと管理は違うと考えています。
「今日は何ページやった?」
「まだ終わっていないの?」
「毎日必ず30分やりなさい」
と親が細かく管理し続けなければ進まないのであれば、本当にその通信教育が今の子どもに合っているのか、一度考えてみてもいいと思います。
親の役割は、通信教育を「やらせること」ではなく、子どもが自分で取り組める環境を整え、必要なときに助けることではないでしょうか。
通信教育を申し込む前に、子どもだけでなく、
「親はどのくらい関わるつもりなのか」
も考えておくと、始めてからの負担とのズレが少なくなると思います。
5.続かなかったときに「やめてもいい」と思えるか
通信教育を始めると、親としては「せっかく申し込んだのだから、続けてほしい」と思うでしょう。
教材がたまってくると、なおさら「ちゃんとやりなさい」と言いたくなるかもしれません。
でも、続かなかったこと自体を、私は必ずしも失敗だとは思いません。
実際にやってみたからこそ、
「一人で勉強するより、誰かに教えてもらうほうが好き」
「紙の教材より別の方法が合っている」
「今は学校の宿題だけで十分」
と分かることもあります。
子どもは成長します。小学生のときには合わなかった勉強方法が、中学生や高校生になれば合うこともあるでしょう。
妻も、小学生の自分には通信教育はあまり向いていなかったと思う一方、高校生になるとZ会を自分で選び、かなり真面目に取り組んでいました。
大切なのは、一度始めた教材を何が何でも続けることではなく、その時の子どもに合った学び方を探すことだと思います。
「続かなかったらもったいない」と考えるより、
「合わなければ、やめたり変えたりしてもいい」
くらいの気持ちで始めたほうが、親子ともに通信教育と付き合いやすいのではないでしょうか。
通信教育を「何年生から始めればいいのか」で迷っている方は、こちらの記事でも始めどきについて詳しく書いています。
→ 小学生の通信教育はいつから始める?東大卒の父が考える始めどき
まとめ|通信教育は「続けること」より「その子に合っているか」
小学生の通信教育を始めるとき、私は「何年生から始めるか」や「どの教材が一番いいか」よりも、まずその子に通信教育という学び方が合っているかを考えることが大切だと思っています。
今回挙げたのは、次の5つです。
- 子ども自身が「やりたい」と思っているか
- 一人で教材を進められるか
- 学校の勉強を理解できているか
- 親がどこまでサポートできるか
- 続かなかったときに「やめてもいい」と思えるか
通信教育は、始めれば自動的に勉強するようになるものではありません。
一方で、自分で考え、自分のペースで学ぶことが好きな子にとっては、とても使いやすい学習方法になる可能性があります。
私たち夫婦も高校時代にZ会を利用しましたが、同じ教材でも取り組み方も、役に立ったと感じた部分も違いました。
私たち夫婦が高校時代にZ会をどのように使っていたのか、良かった点だけでなく難しかった点も含めて、こちらの記事に詳しく書いています。
→ 東大卒夫婦は高校時代に二人ともZ会をやっていた|でも、使い方も効果も全く違った
だからこそ、教材の評判だけで決めるのではなく、目の前の子どもを見て選ぶ。
そして、やってみて合わなければ変えてもいい。
通信教育も塾も家庭学習も、子どもを勉強させるための目的ではなく、子どもが自分で学んでいくための道具の一つなのだと思います。


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