「勉強しなさい」と言わないと、子どもは勉強しない。
でも、言いすぎると勉強嫌いになってしまうのではないか。
小学生の子どもを持つ親なら、一度は悩むことではないでしょうか。
私は地方の公立高校から一浪して東大に入りましたが、ずっと勉強が好きだったわけではありません。
むしろ高校2年生から3年生にかけて、勉強する意味が分からなくなり、やる気を失った時期があります。現役では東大に不合格になりました。
そんな自分自身の経験と、現在、小学生の息子二人を見ていて思うのは、小学生のうちは「どれだけ勉強させるか」以上に、「勉強を嫌いにさせないこと」が大切なのではないかということです。
小学生のうちから長時間勉強したり、先取り学習をしたりしなくても、その後に学力が大きく伸びる可能性はあります。
一方で、「勉強=親にやらされるもの」になってしまえば、中学、高校と続く長い学習生活が苦しくなるかもしれません。
この記事では、東大受験まで経験した父親として、そして現在二人の小学生を育てる親として、子どもを勉強嫌いにしないために親ができる5つのことを考えてみます。
1.「勉強しなさい」と言いすぎない
子どもが勉強していない姿を見ると、親としてはつい、
「宿題やったの?」
「勉強しなさい」
と言いたくなります。
もちろん、まったく声をかけないほうがいいとは思いません。
宿題を忘れていたり、分からないところで困っていたりすれば、親が声をかけることも必要でしょう。
ただ、毎日のように「勉強しなさい」と言われ続けると、子どもにとって勉強は、
「自分でするもの」ではなく、「親に言われてするもの」
になってしまうかもしれません。
我が家でも、息子たちの勉強を親が細かく管理することはしていません。
宿題は基本的に本人たちに任せています。
小学生のうちは、勉強時間を増やすことよりも、
「自分でやる」という感覚を少しずつ持つこと
のほうが大切なのではないかと思っています。
親が毎日勉強させれば、その日の勉強時間は増えるかもしれません。
でも、親が何も言わなくなった時にも勉強できるか。
私は、長い目で見ればこちらのほうが大切だと思います。
子どもが家で勉強しないとき、親はどこまで関わるべきなのかについては、こちらの記事でも詳しく書いています。
「小学生が家で勉強しない。親はどうすればいい?東大卒の父が考える家庭学習」
2.できなかったことより「考えたこと」を見る
テストで間違えた。
計算ミスをした。
漢字を覚えていない。
親から見ると、どうしても「できなかったこと」が気になります。
でも、小学生の勉強では、正解したかどうかだけではなく、そこまでに子どもがどう考えたのかを見ることも大切だと思います。
間違えていても、
「どうしてこの答えにしたの?」
と聞いてみると、子どもなりに考えていることがあります。
そこで、
「違うでしょ」
「こんなのも分からないの?」
と言われれば、間違えること自体が嫌になってしまうかもしれません。
反対に、
「なるほど、そう考えたんだね」
と一度受け止めてもらえれば、間違えることを必要以上に怖がらずに済みます。
勉強では、これから何度も分からない問題に出会います。
分からないことや間違えることを嫌がらず、自分なりに考えてみる。
小学生のうちは、正解の数を増やすことと同じくらい、そんな姿勢を大切にしたいと思っています。
3.先取りよりも「分かる」を大切にする
小学生の勉強では、
「少しでも先に進んだほうが有利なのではないか」
と考えることもあると思います。
私自身、大学受験では先の難しい問題に手を出して、うまくいかなかった経験があります。
難しい問題が解けることに憧れて、基礎が十分に固まっていないのに先へ進もうとしたこともありました。
でも、分からない問題ばかりが続けば、勉強はだんだん苦しくなります。
小学生なら、なおさらだと思います。
私は、先へ進むことより、
「分かった」
「自分でできた」
という経験を積み重ねるほうが大切だと考えています。
計算ができるようになった。
昨日分からなかった問題が今日は分かった。
学校で習ったことを自分の言葉で説明できた。
そんな小さな「分かった」の積み重ねが、
「勉強って、意外と面白いかもしれない」
につながるのではないでしょうか。
先取りすること自体が悪いわけではありません。
ただ、先へ進むことを目的にして、子どもの「分からない」が積み重ならないようにしたいと思っています。
小学生の先取り学習については、こちらの記事でも詳しく書いています。
「小学生の先取り学習は必要?東大卒の父が考えるメリットと注意点」
4.勉強以外の時間を削りすぎない
小学生の時間には限りがあります。
勉強時間を増やせば、その分、何かの時間が減ります。
外で遊ぶ時間。
友達と過ごす時間。
スポーツをする時間。
漫画を読む時間。
家族と話す時間。
ぼーっとする時間。
私は、こうした時間も小学生には大切だと思っています。
我が家の息子たちも、家に帰ってから何時間も勉強しているわけではありません。放課後には友達と遊び、スポーツもしています。
一見すると勉強とは関係のない経験が、あとになって学校の学びにつながることもあります。
先日の授業参観では、次男が粘土で作ったカブトムシを見ました。本物によく似ていて、本人は昨年の夏に山でカブトムシを捕まえた経験を思い出し、
「あの記憶があるから、僕できたのかもしれない」
と言いました。
遊んでいた時には、それが勉強につながるなんて考えていませんでした。
でも、子どもにとっては、遊びと学びがきれいに分かれているわけではないのでしょう。
小学生のうちから勉強だけで一日を埋める必要はない。
勉強以外の経験を十分にすることも、長い目で見れば学ぶ力を育てる一部なのではないか。
私はそう考えています。
5.「何のために勉強するのか」を親が決めすぎない
私は高校2年生から3年生にかけて、勉強へのやる気を失った時期があります。
それまで成績は良く、東大を目指していました。
ところが、ある時、
「そもそも、なぜ東大を目指しているんだろう」
と分からなくなりました。
目標はある。
勉強もしなければならない。
でも、それが自分の中で何につながっているのか分からない。
一度そうなると、なかなか勉強に気持ちが向かなくなりました。
結局、現役では東大に不合格。一年間浪人して、もう一度勉強と向き合うことになりました。
この経験があるからこそ、息子たちには、
「いい大学に入るために勉強しなさい」
「将来困るから勉強しなさい」
と、親が勉強する理由まで決めすぎたくないと思っています。
小学生なら、まだ「将来のため」と言われても実感できないでしょう。
知りたいから調べる。
分からなかったことが分かる。
できなかったことができるようになる。
そんな小さな経験の中から、子ども自身が学ぶ意味を見つけていけばいい。
親ができるのは、勉強する理由を与えることよりも、子どもが自分でその理由を見つけられる余地を残しておくことなのではないかと思っています。
まとめ|小学生のうちは「勉強嫌いにしない」ことを大切にしたい
小学生のうちに、どれだけ勉強すれば将来伸びるのか。
その答えは、簡単には分からないと思います。
私自身、高校時代に勉強へのやる気を失い、現役では東大に合格できませんでした。それでも、一年間の浪人を経て東大に合格しました。
人が勉強に向かう時期は、それぞれ違います。
だからこそ、小学生の息子たちを見ていて、今の時期に最も避けたいのは、
「勉強そのものが嫌いになること」
だと考えています。
今回紹介したのは、次の5つです。
- 「勉強しなさい」と言いすぎない
- できなかったことより「考えたこと」を見る
- 先取りよりも「分かる」を大切にする
- 勉強以外の時間を削りすぎない
- 「何のために勉強するのか」を親が決めすぎない
親が子どもを勉強させることはできます。
でも、いつか親の手を離れたとき、自分から学ぶかどうかを決めるのは子ども自身です。
小学生の今は、その日の勉強量を増やすことだけではなく、
「学ぶことを嫌いにさせない」
そんな長い目で子どもの成長を見ていきたいと思っています。


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